勝手に離婚届を出されたら?「受理不受理申出」の書き方と、合意なしの提出を防ぐ対策
「離婚の話は出ているけれど、まだ納得していない」「相手が勝手に名前を書いて出してしまいそう……」。そんな不安を抱えている方に、まず真っ先に知っていただきたい制度があります。それが**「離婚届受理不受理申出(じゅりふじゅりもうしで)」**です。
もし、あなたの同意がないまま離婚届が提出され、役所で受理されてしまうと、戸籍上は「離婚」が成立してしまいます。後からこれを取り消すには、家庭裁判所での手続き(離婚無効調停など)が必要になり、多大な時間と精神的なエネルギーを消耗することになります。
この記事では、勝手な離婚を未然に防ぐための最強の防衛策である「不受理申出」の書き方や提出方法、そしてもし出されてしまった後の対処法を詳しく解説します。
1. 「離婚届受理不受理申出」とは?
この制度は、**「本人が窓口に来て提出した場合以外、離婚届を受理しないでほしい」**とあらかじめ市区町村長に願い出ておくものです。
これを出しておけば、たとえ相手が勝手にあなたの名前を書いて離婚届を提出しても、役所側でブロックしてくれます。有効期限はなく、あなたが「取り下げ」をしない限り、ずっとあなたを守ってくれる強力なバリアになります。
2. 不受理申出書の書き方と必要書類
手続きは非常にシンプルです。役所の戸籍窓口に行けば、専用の用紙が用意されています。
記入する主な内容
届出先:提出する市区町村長あて
申出人の氏名・住所・本籍地:あなたの現在の情報を正確に記入します。
相手方の氏名・本籍地:配偶者の情報を記入します。
申出の種別:通常は「離婚」にチェックを入れます。
必要なもの
本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど(顔写真付きが必須です)。
印鑑:認印で構いませんが、シャチハタは不可です。※現在は署名のみで可能な自治体が増えていますが、持参するのが無難です。
3. どこに、いつ提出すればいい?
提出先
原則として、自分の本籍地の役所に提出するのが最もスムーズです。
ただし、お住まいの地域の役所でも受け付けてもらえます。その場合、役所間で情報が転送されるまでのタイムラグが発生する可能性があるため、緊急を要する場合は本籍地へ直接行くか、電話で確認しましょう。
提出のタイミング
「相手が勝手に出すかもしれない」と感じた瞬間に出しに行ってください。夜間や休日窓口でも受け付けてくれる自治体が多いですが、預かり扱いになるため、平日の開庁時間に提出するのが最も確実です。
4. もし「勝手に受理」されてしまったらどうなる?
万が一、不受理申出を出す前に離婚届が受理されてしまった場合、残念ながら役所の窓口で「今のを取り消して!」と言っても対応してもらえません。戸籍は一度書き換えられると、法的な手続きなしには戻せないからです。
解決のためのステップ
「離婚無効の調停」を申し立てる:家庭裁判所で、離婚の合意がなかったことを主張します。
証拠の提示:勝手に書かれた署名や、当時離婚に合意していなかった状況などを説明します。
裁判判決または審判:無効が認められれば、戸籍を元の状態に戻すことができます。
しかし、このプロセスには数ヶ月から半年以上の時間がかかることが多く、その間のストレスは計り知れません。だからこそ、**「怪しいと思ったら即、不受理申出」**が鉄則なのです。
5. 合意なしの提出を防ぐための日常の対策
書類上の対策以外にも、以下のポイントを意識しておきましょう。
印鑑の管理:実印や認印を相手が持ち出せる場所に置かない。
署名の拒否:どれだけ詰め寄られても、「今は書けない」と一貫して拒否し、その場を離れる。
安易な預け合いをしない:白紙の離婚届を「持っておくだけ」と渡されても、絶対に自分の名前を書かないでください。
【チェックリスト】不受理申出を出す際の手順
準備を整えて、迷わず役所へ向かいましょう。
[ ] 本人確認書類(免許証など)を持った
[ ] 印鑑を持った
[ ] 本籍地の住所を確認した(戸籍謄本があると確実)
[ ] 役所の開庁時間を確認した
[ ] 相手に悟られないように行動する(提出自体は相手の同意不要です)
まとめ:自分の身は自分で守る
離婚は、お互いの納得があって初めて成立するものです。一方が強引に進めることは、法的に許されることではありません。
「まさか、うちの夫(妻)がそんなことするはずない」という過信は禁物です。少しでも不安や、相手からの過度なプレッシャーを感じているのなら、お守り代わりに「不受理申出」を出しておきましょう。それは、あなたの権利とこれからの人生を守るための、正当な権利行使なのです。
離婚届の書き方完全ガイド!失敗しない手順と受理されるためのチェックポイント