「離婚届」を勝手に出されないために。離婚届不受理申出の書き方と、法的手段で時間を稼ぐ方法
「相手が勝手に離婚届を出してしまうかもしれない……」
「話し合いも終わっていないのに、強引に受理されたらどうしよう」
パートナーから離婚を迫られているとき、そんな恐怖に押しつぶされそうになっていませんか?もし、あなたが「まだやり直したい」「納得いくまで話し合いたい」と思っているなら、まず真っ先にすべきなのは、自分の身と戸籍を守るための**「守りのフェーズ」**に入ることです。
実は、日本の法律では、たとえ本人の筆跡でなくても形式が整っていれば、離婚届は受理されてしまうリスクがあります。一度受理されてしまうと、それを取り消すには裁判所での手続きが必要になり、多大な労力と時間がかかってしまいます。
この記事では、勝手な離婚を防ぐための最強の盾である**「離婚届不受理申出」の具体的な書き方や、法的な手段を使って「関係修復のための時間」**を確保する方法を詳しく解説します。
1. 離婚届を勝手に出させない!「離婚届不受理申出」とは?
「離婚届不受理申出(りこんとどけふじゅりもうしで)」は、本人の意思に基づかない離婚届が提出されても、役所がそれを受理しないように制限をかける制度です。
なぜこの手続きが必要なのか?
日本の役所の窓口では、提出された書類に不備がなければ、相手が勝手に名前を書いてハンコを押したものであっても、そのまま受理されてしまうことが少なくありません。
後から「私は同意していない!」と訴えても、すでに戸籍は「離婚」と記載されてしまいます。これを防ぐ唯一の法的手段が、この申出です。
不受理申出のポイント
有効期限がない: 一度提出すれば、自分が取り下げない限り半永久的に有効です(以前は6ヶ月でしたが、現在は無期限です)。
費用は無料: 手続きにお金はかかりません。
相手に通知されない: 申出をしたこと自体が相手にバレることはありません(ただし、相手が離婚届を出そうとして窓口で拒否された時点で、申出の存在を知ることになります)。
2. 【実践】離婚届不受理申出の書き方と手続き
手続きは非常にシンプルです。焦らず、以下の手順で進めましょう。
どこで手続きする?
お住まいの市区町村役場の「戸籍課」や「市民課」の窓口で行います。本籍地以外の役所でも提出可能ですが、本籍地以外の場合は、本籍地の役所に届くまで少しタイムラグが生じる可能性があるため、急ぎの場合は本籍地の役所へ行くのが最も確実です。
必要なもの
本人確認書類: 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど(顔写真付きのもの)。
認印: 書類に不備があった際の訂正用にあると安心です(シャチハタ不可)。
申出書: 役所の窓口でもらえます。
書き方のコツ
窓口で「離婚届の不受理申出をしたい」と言えば、専用の用紙を渡されます。
氏名・生年月日・住所・本籍地を正確に記入します。
相手方の氏名、生年月日、本籍地を記入する欄もあります。わかる範囲で正確に記入しましょう。
提出が完了した瞬間から、あなたの同意なしに離婚が成立することは物理的に不可能になります。これで、ようやく**「落ち着いて話し合うための時間」**を確保できたことになります。
3. 法的手段で「修復のための時間」を稼ぐ戦略
離婚届不受理申出で「戸籍」を守ったら、次は「話し合いの場」をコントロールしましょう。相手が「今すぐ別れろ」と迫ってきても、法的な知識があれば、無理に応じる必要はありません。
婚姻費用の分担請求を行う
別居している、あるいは家計を別々にされている場合、収入の多い側に生活費(婚姻費用)を請求しましょう。
「お金の話をするなんて……」とためらう必要はありません。生活基盤を安定させることは、冷静な判断力を保つために不可欠です。また、相手にとっては「別居を続けるコスト」が発生するため、感情的な離婚請求を思いとどまらせる抑止力にもなります。
円満調停(夫婦関係調整調停)の活用
「離婚調停」は離婚するためのものですが、**「円満調停」**は夫婦仲を元に戻すための話し合いを裁判所で行う制度です。
第三者(調停委員)が間に入るため、冷静な会話ができる。
相手の言い分を客観的に聞くことができる。
「自分は修復したい」という意思を公的な場に記録として残せる。
たとえ相手が離婚を強く望んでいても、調停の場を利用して「なぜ修復したいのか」「どう変わるつもりか」を粘り強く伝えることで、相手の頑なな心に変化が生じるケースは珍しくありません。
4. 信頼回復のために、この「時間」をどう使うか
法的な手続きで稼いだ時間は、単なる「先延ばし」ではありません。この期間に**「あなた自身の変化」**を相手に実感させることが、最終的な離婚回避の決め手となります。
相手を責めない: 「勝手に出そうとしただろ!」と責めるのは厳禁です。守りを固めた後は、これまで以上に穏やかに接しましょう。
プロのカウンセリングを受ける: 自分一人で抱え込まず、夫婦問題の専門家に相談し、自分の問題点やコミュニケーションの癖を修正しましょう。
誠意ある提案をする: 「ただ嫌だ」と言うのではなく、具体的な改善案(家事分担、金銭管理、コミュニケーションの頻度など)を提示できる準備を整えます。
まとめ:あなたの「やり直したい」という意志を形に
突然の離婚危機に、パニックになるのは当然です。しかし、まずは**「離婚届不受理申出」**という法的な盾を持つことで、最悪の事態(勝手な離婚成立)を防ぐことができます。
そこから生まれる時間は、あなたとパートナーが、もう一度お互いの人生を見つめ直すための貴重な猶予期間です。焦らず、一歩ずつ、誠実に修復への道を歩んでいきましょう。
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