保険料が高いと感じたら?無理なく固定費を月5,000円削る「賢い見直し」の優先順位


「毎月の給料から引き落とされる保険料、もっと安くならないかな……」

「勧められるがままに入ったけれど、結局どれが必要なのかわからない」

日々の生活費が高騰する中で、家計を圧迫する「固定費」の代表格が保険料です。もし、今の保障内容を大きく変えずに、月々5,000円、年間で6万円の支出を削減できたらどうでしょうか。その浮いたお金を、つみたて投資や家族との外食、将来への貯蓄に回すことができるようになります。

実は、多くの人が「本来は不要な保障」にお金を払いすぎています。保険は「安心を買うもの」ですが、過剰な安心は家計の首を絞める原因になりかねません。

この記事では、保険のプロも実践する「損をしないための見直し優先順位」を徹底解説します。今の生活を守りつつ、賢く支出を削るための具体的なステップを見ていきましょう。


なぜあなたの保険料は「高い」のか?

そもそも、なぜ日本の保険料は高くなりやすいのでしょうか。それには、日本独自の「公的保障」の充実度と、民間保険の「売り方」が関係しています。

1. 公的制度との「重複」に気づいていない

日本には「高額療養費制度」があり、1ヶ月の医療費自己負担額には上限が設けられています。一般的な収入の方であれば、たとえ100万円の医療費がかかっても、実際の支払いは8〜9万円程度で済むケースがほとんどです。これを知らずに「入院1日1万円+高額な特約」という手厚すぎる医療保険に入っている場合、それは「過剰な備え」と言えます。

2. 「セット販売(特約)」の罠

多くの生命保険には、主契約に加えて「災害入院特約」「成人病特約」など、いくつものオプションが付帯しています。これらは一つひとつは数百円から数千円ですが、積み重なると大きな金額になります。しかも、内容が重複していたり、現代の短期入院メインの医療実態に合っていなかったりすることが珍しくありません。

3. 「貯蓄型」へのこだわりすぎ

「掛け捨てはもったいない」という心理から、終身保険や養老保険などの貯蓄型を選ぶ人は多いです。しかし、貯蓄型は保障を買うコストに加え、運用・管理の手数料が含まれるため、月々の支払額が跳ね上がります。保障と貯蓄を切り離して考えるだけで、月額の負担は劇的に下がります。


固定費を月5,000円削るための「見直し優先順位」

効率よく固定費を削減するためには、闇雲に解約するのではなく、以下の優先順位でチェックしていくのが鉄則です。

【優先順位1位】「死亡保障」の金額を見直す

最も大きな節約効果が期待できるのが生命保険(死亡保障)です。

  • チェックポイント: 独身なのに数百万円の死亡保障に入っていませんか? あるいは、子供が成長したのに加入当時の大きな保障を続けていませんか?

  • 対策: 必要な保障額は、年月の経過とともに減っていきます。四角い箱のような保障(終身保険)ではなく、三角形に保障が減っていく「収入保障保険」に切り替えるだけで、月数千円の削減が可能です。

【優先順位2位】「医療保険」の特約を整理する

医療保険は、実は最も「重複」が発生しやすい分野です。

  • チェックポイント: 「がん特約」「先進医療特約」などが、複数の保険で重複していませんか? また、120日や180日といった長期入院への備えは、現在の「短期入院・通院治療」という医療トレンドに合っているでしょうか。

  • 対策: 古い医療保険を解約し、シンプルな「入院日額5,000円+入院一時金」の最新プランに乗り換える、あるいは不要な特約を外すだけで、月1,000円〜3,000円程度のスリム化が狙えます。

【優先順位3位】「掛け捨て型」を上手く活用する

「もったいない」という感情を一度脇に置いてみましょう。

  • チェックポイント: 貯蓄型保険の利回りと、現在のネット証券などでの運用利回りを比較してみてください。

  • 対策: 貯蓄型を一部解約し、安価な「掛け捨て型(定期保険)」に切り替えます。浮いた差額を新NISAなどで運用することで、結果的に将来受け取れる資産が増え、現在のキャッシュフローも改善する可能性が高いです。

【優先順位4位】自動車保険や火災保険を見直す

生命保険以外も忘れてはいけません。

  • チェックポイント: 代理店型の自動車保険を、長年そのまま更新していませんか?

  • 対策: ダイレクト型(通販型)の自動車保険に見直すだけで、ロードサービス等の質を落とさずに年間数万円(月換算で2,000円以上)安くなることは多々あります。


失敗しない見直しの具体的なステップ

「よし、見直そう!」と思った時に、トラブルを避けるための正しい手順を解説します。

ステップ1:現在の「全保障」を書き出す

まずは家にある保険証券をすべて集めましょう。夫、妻、子供、それぞれの保険料と保障内容を一覧にします。この時、クレジットカードの付帯保険や、会社の団体保険も忘れずにチェックしてください。

ステップ2:公的保障でいくら貰えるか知る

自分が病気になった時、亡くなった時に、国からいくら「遺族年金」や「傷病手当金」が出るかを把握します。自営業か会社員かでも大きく異なります。この「公的保障の土台」の上に、足りない分だけを民間保険で乗せるのが正解です。

ステップ3:複数の会社を比較する(相見積もり)

一つの保険会社の商品だけを見ても、それが高いのか安いのか判断できません。今は複数の保険会社を扱うショップや比較サイトが充実しています。同じ保障条件で、各社の保険料を徹底的に比較しましょう。


見直し時に絶対にやってはいけないこと

節約を急ぐあまり、以下のミスを犯すと取り返しがつかなくなることがあります。

  1. 新しい保険が決まる前に解約する

    「健康診断で指摘があった」「年齢が上がった」などの理由で、新しい保険の審査に通らないことがあります。先に解約してしまうと、無保険の状態(保障の空白期間)ができてしまい、非常に危険です。

  2. 「お宝保険」を解約してしまう

    1990年代以前に加入した保険の中には、予定利率が非常に高い「お宝保険」と呼ばれるものがあります。これらは今の低金利時代には考えられないほど効率よくお金が増えるため、解約すると損をしてしまいます。

  3. 告知義務違反をする

    保険料を安くしたいからといって、過去の病歴を隠して加入してはいけません。いざという時に給付金が一切支払われず、それまで払った保険料も無駄になってしまいます。


専門家への相談を賢く使うメリット

自分で全てを判断するのは時間がかかりますし、専門知識も必要です。無料の保険相談窓口などを利用するメリットは以下の通りです。

  • 最新の格安プランを提案してもらえる: ネット専用保険など、一般にはあまり知られていないコストパフォーマンスの高い商品を教えてもらえます。

  • 複雑な計算を任せられる: 「将来いくら必要か」というライフプランニングを数値化してくれます。

  • 無理な勧誘は断ってOK: 現在は強引な勧誘を禁止している窓口がほとんどです。まずは「セカンドオピニオン」を聞くつもりで利用するのが賢明です。


結論:保険料の見直しは「人生の棚卸し」

保険料を月5,000円削ることは、決して難しいことではありません。それは単なる我慢ではなく、**「今の自分に最適な形に整える」**という前向きな作業です。

「昔から入っているから」「付き合いがあるから」という理由で、大切なお金を捨て続けるのは今日で終わりにしましょう。一度見直してしまえば、その後は何もしなくても毎月5,000円が貯まっていく「自動貯蓄マシン」が完成したのと同じです。

まずは、今日、保険証券を1枚取り出すことから始めてみませんか? その一歩が、数年後の大きな資産の差となって現れるはずです。


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