「モラハラで離婚したくない」は通る?修復を望む夫・妻が弁護士に相談すべき3つの意外なメリット
「パートナーからモラハラを理由に離婚を突きつけられた。でも、自分は離婚したくない……」
「自分の言動がモラハラだと言われてしまった。反省しているし、家族と一緒にいたいけれど、もう修復は不可能なのだろうか」
愛する家族との生活が壊れそうになったとき、頭が真っ白になり、どう動けばいいのか分からなくなるものです。特に「モラルハラスメント(モラハラ)」が原因の場合、当事者同士の話し合いは感情のもつれから泥沼化しやすく、修復を望んでいるはずがかえって相手の心を遠ざけてしまうことが少なくありません。
「離婚を回避したいのに、弁護士に相談するのは大げさではないか?」
「弁護士を入れたら、かえって離婚が確定してしまうのでは?」
そう不安に思う方も多いでしょう。しかし現実は逆です。関係修復を望むときこそ、法律と交渉のプロである弁護士の視点が大きな助けとなります。
この記事では、モラハラを理由に離婚を迫られている方が、いかにして離婚を回避し、関係を再構築するための道筋を立てるべきか。その具体的な対策と、専門家に相談する意外なメリットを詳しく解説します。
1. 「モラハラ」を理由とした離婚請求は、どこまで認められるのか?
まず知っておくべきは、日本の法律における離婚のルールです。相手が「離婚したい」と言っても、あなたが拒否すれば、すぐに離婚が成立することはありません。
法定離婚事由としてのハードル
裁判で離婚が認められるためには、民法で定められた「法定離婚事由」が必要です。
不貞行為(不倫)
悪意の遺棄(同居・協力・扶助の義務を放棄する)
3年以上の生死不明
回復の見込みのない強度の精神病
その他、婚姻を継続し難い重大な事由
モラハラは、このうち「婚姻を継続し難い重大な事由」に含まれる可能性があります。しかし、単なる「性格の不一致」や「一時的な夫婦喧嘩」の延長線上にある不満であれば、即座に裁判で離婚が認められるわけではありません。
証拠の有無が鍵を握る
相手が離婚を強く望んでいる場合、モラハラの証拠(録音、日記、メール、診断書など)を揃えている可能性があります。逆に言えば、客観的な証拠が乏しく、あなたが改善の意思を明確に示している場合、法的に無理やり離婚させられるリスクを低減させることができます。
2. 修復を望む夫・妻が弁護士に相談すべき「3つの意外なメリット」
「弁護士=離婚裁判」というイメージがあるかもしれませんが、実は**「離婚をしないための戦略」**を立てるために弁護士を活用する人が増えています。
メリット①:相手との「感情的な接触」を遮断し、冷静な対話の土壌を作る
モラハラを指摘されている場合、あなたが直接相手に謝罪したり、説得しようとしたりすること自体が、相手にとって「恐怖」や「さらなる支配」と感じられてしまうことがあります。
弁護士を代理人に立てる、あるいはアドバイスを受けることで、以下のような効果が期待できます。
直接対決の回避: 感情の爆発を防ぎ、言葉の行き違いによる二次被害を抑えます。
第三者の視点の導入: 「加害者と被害者」という固定された関係性に、客観的なルールを持ち込むことができます。
メリット②:自身の言動の「客観的な評価」を受け、正当な反論・改善案を作れる
自分では「教育のつもり」「相手のためを思って」言っていたことが、法的に見てどの程度の不適切さがあるのかを冷静に判断してもらえます。
過剰な要求を退ける: 相手が「慰謝料◯百万円払え」「今すぐ出ていけ」といった過度な要求をしてきている場合、法的な相場を基に正当な主張ができます。
改善計画の提示: 自分がどのように変わるのか(カウンセリング受講やアンガーマネジメントの習得など)を、法的根拠に基づいた「修復への提案」として相手に伝えることができます。
メリット③:別居や婚姻費用のリスクを管理できる
離婚回避を望む中で、相手が強引に家を出て「別居」が始まるケースは多いです。
生活費(婚姻費用)の分担: 別居しても、離婚が成立するまでは収入の多い側が少ない側の生活費を支払う義務があります。この金額の調整や、支払いを通じて「責任を果たす意思」を示すことも、修復へのプロセスの一つとなり得ます。
子供との面会交流: 子供がいる場合、離婚しなくても子供と会う権利を守るための手続きができます。家族としての繋がりを維持し続けることが、最終的な離婚回避に繋がります。
3. モラハラ加害を指摘された人が「修復」のために歩むべき道
もし、あなたが加害者側だとされているなら、まずは「相手の苦しみ」を認めるところからスタートしなければなりません。
自己愛と支配欲からの脱却
モラハラをしてしまう人は、無意識に相手をコントロールしようとする傾向があります。
「自分の正しさを証明すること」よりも「相手の安心感を守ること」を最優先にする。このマインドセットの切り替えが、専門家のカウンセリングなどを通じて必要になります。
「円満調停」の活用
裁判所の手続きには、離婚するためだけでなく、関係を改善するための「夫婦関係調整調停(円満)」という仕組みがあります。調停委員を交えて、どうすれば再び円満に暮らせるかを話し合う場です。ここでも、弁護士のサポートがあれば、自身の改善意欲を論理的に伝えることができます。
4. 被害者側が「離婚回避」を選択する際の注意点
一方で、モラハラを受けている側が「それでも離婚したくない」と願う場合もあります。
経済的自立の準備を並行する: 修復を目指しつつも、相手が変わらなかった時のために自分の足で立てる準備をしておくことが、心の余裕を生みます。
「共依存」に陥っていないかの確認: 「私がいなければこの人はダメになる」という思い込みは、解決を遅らせます。カウンセラーなどの専門家と話し、自分自身の精神的健康を第一に考えましょう。
5. 後悔しないために。今すぐ取り組むべき具体的アクション
「離婚届」を出されてしまう前に、以下のステップを踏むことを強くお勧めします。
日記や記録の整理: これまでの衝突の経緯を、感情を抜いた事実のみで整理します。
専門機関のリストアップ: モラハラ問題に強い弁護士事務所や、夫婦カウンセリングを行っているクリニックを探します。
ライフプランの再構築: 10年後、20年後にどんな夫婦でありたいか、具体的なビジョンを書き出します。
結びに:修復の扉はまだ閉まっていない
「モラハラ」という言葉が一般化した現代、一度そのレッテルを貼られると、もう二度と元には戻れないような絶望感を感じるかもしれません。しかし、人間は変わることができます。そして、法律は強引な別れからあなたを守る盾にもなり得ます。
一人で悩み、スマホで検索を繰り返すだけでは、不安は募るばかりです。まずは無料相談などを利用して、法的な立ち位置を確認することから始めてみてください。その一歩が、愛する人との「新しい関係」を築くスタートラインになるはずです。